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中小企業診断士からの『大阪産野菜のブランド化による地域活性化への一提言』

2012年2月29日

中小企業診断協会大阪支部農業経営研究会からの

『大阪産野菜のブランド化による地域活性化への一提言』  

 

 

<はじめに>

 

貿易立国・日本の農業を取り巻く状況は下記のような国内外にわたる諸問題が増加しつつ複雑に絡み合い、

極めて深刻な状況にある。

 

(1)少子高齢化の進展に伴う人口減少農業生産能力減少と食料品消費量の減少 

(2)グローバル化の進展に伴う輸入農産物との競合 

(3)世界的食料需要の増大=世界的な人口爆発、新興諸国の経済発展に伴う食糧輸出国から

  輸入国への逆転・所得水準の上昇に伴う食料摂取内容の変化等

 (4)世界的食料供給量の減少=気候変動による供給量変動、バイオエネルギー原料化、

  化石燃料枯渇問題に関連する化学肥料価格の高騰 

(5)世界的食料品価格変動=農産物取引市場への投機的資金の流入

 

 一方、国内消費者のニーズが多様化し、「食の安全・安心」に対する要求の高度化や「多少高くても新鮮で

おいしいものが食べたい」という要望と、景気低迷に伴う低価格化要望に二極分化している。

 

 このような情勢の変化に対応すべく、我が国政府は食料自給率(カロリーベース)を2020年度に50%まで

引き上げる「新たな食料・農業・農村基本計画」を発表した。しかし、2008年で298万人いる日本全国の農業就

労人口は農林水産省の試算によると、高齢化の進展により毎年10数万人ずつ減り続け、今後10年間で農業

生産力は現状より25%ほど落ち込む予想とのことであり、農業振興、地域活性化は我が国にとって最重要

課題の一つである。

 

 しかし、消費者の米食離れが著しい現在、食料自給率を現状の約40%から50%に引き上げる努力を、米穀

を中心とする農村地域の活動に期待するだけでは不可能であり、日本全地域を挙げての総力戦を展開する

必要がある。特に食の安全・安心に対する要求の高い消費者層が集中している大都市近郊での農業振興、

地産地消活動の拡大・定着は今後ますます重要となるものと考える。

 

 大阪府の農業生産量は他府県に比べて低位にある。しかし、農地は現在でも府域面積の約10%を占め、

消費者への近さという都市近郊の立地を活かした葉物野菜(軟弱野菜)の生産に活路を見いだし、府民に

新鮮な食材を提供しており、野菜・果樹の生産量において全国でベストテンに名を連ねるものがしゅんぎく

2位・4,350t)、こまつな(5位・5,020t)、ぶどう(7位・6,120t)など9種類ほどある。大阪府は府下の農水産物

を「大阪産(もん)」という統一名称でブランド化し、地域活性化の起爆剤として活用すべく活動している。

 

 (社)中小企業診断協会大阪支部農業経営研究会は農業経営診断、中小企業経営コンサルティング、

マーケティング、販売、生産管理等の分野におけるエキスパートが集まって、今後の我が国にとって極め

て重要なテーマである農業問題について研究しているが、今回、当協会本部の平成22年度調査研究事業

に応募し採択されたので、有識者、関係者のご指導・ご支援をいただきつつ、大阪産野菜のブランド化を

中心的課題として取り上げ、文献調査、野菜生産・流通統計資料調査、農業者・JA、流通業者(卸売市場

百貨店・スーパー、直売所)、消費者(農業レストラン)、研究機関等に対する現地調査・ヒアリング調査等

を実施し、大都市近郊農業のあり方や地域活性化のあり方について、ここに研究成果を取りまとめた。

 

                                (社)中小企業診断協会大阪支部 農業経営研究会

 

 続きはこちらをダウンロードしてください。

12政策提言(農業経営報告書).pdf

 

 

 

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