起きていた問題
働き方改革が進まず、人材も確保できていませんでした。高齢ドライバーが多く、若手を育成する必要がありましたが、なかなか定着しません。長時間労働を是正するために荷主と交渉していましたが、協力してくれる荷主はわずかで、自社の努力だけでは、限界を感じていました。
2024年問題が目前に迫る中、単純に労働時間を削減するだけでは、ドライバーの賃金が減ってしまい、ますます人手不足に拍車がかかります。ドライバーの賃上げと収益性の維持を同時に実現する必要に迫られていました。
2024年問題が目前に迫る中、単純に労働時間を削減するだけでは、ドライバーの賃金が減ってしまい、ますます人手不足に拍車がかかります。ドライバーの賃上げと収益性の維持を同時に実現する必要に迫られていました。
コンサルタントの関わり方
運行状態の「見える化」と従業員の意識改革実現
運転日報の分析から、低い運行効率の原因を特定
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ドライバーに、何が起こっているのかをヒアリング
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ドライバーのリーダーを含めたプロジェクトの運営
【日報データの分析による改善事例】
日報データから運行時間が10時間以上になっている運行は、停止割合が50%以上となっている比率が高いことが分かりました。その原因は待機や積み下ろしの時間が長いということが分かりました。
このことから、ドライバーと一緒に対応策を検討しました。
下の図は、集荷時間を変えてもらったことにより、拘束時間を短くした事例です。
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ドライバーに、何が起こっているのかをヒアリング
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ドライバーのリーダーを含めたプロジェクトの運営
【日報データの分析による改善事例】
日報データから運行時間が10時間以上になっている運行は、停止割合が50%以上となっている比率が高いことが分かりました。その原因は待機や積み下ろしの時間が長いということが分かりました。
このことから、ドライバーと一緒に対応策を検討しました。
下の図は、集荷時間を変えてもらったことにより、拘束時間を短くした事例です。
解決方法
社長が変われば、社員が変わる
まず、残業の多い営業所の運転日報を1か月分分析しました。その結果、拘束時間の長いドライバーは、走行時間よりも停車時間が長いことが分かりました。
次に、ドライバーを含めたプロジェクト会議を開催し、停車時間が長い理由を解明していきました。例えば、走行時間は5時間程度なのに、集荷時間から配達時間が4時間空いているケースがありました。営業担当もドライバーも、これは顧客の指定なので、変えられないと言います。
そこで、社長の指示により、運賃を値上げしてもらうか、時間を変えてもらうか交渉すると、すんなりと時間変更を受け入れてくれました。これにより、社員の意識が変わってきました。
次に、ドライバーを含めたプロジェクト会議を開催し、停車時間が長い理由を解明していきました。例えば、走行時間は5時間程度なのに、集荷時間から配達時間が4時間空いているケースがありました。営業担当もドライバーも、これは顧客の指定なので、変えられないと言います。
そこで、社長の指示により、運賃を値上げしてもらうか、時間を変えてもらうか交渉すると、すんなりと時間変更を受け入れてくれました。これにより、社員の意識が変わってきました。
解決 POINT 1
運行の実態をデータで把握する
まず、経営者や運行管理者から、事業の状況(主要荷主や、従業員の構成、財務状況等)をヒアリングし、改善したい内容を伺いました。その後、デジタルタコグラフのデータや運転日報及び、勤怠管理表等を受領して、現状の分析を行い、運行の特徴を特定しました。例えば、特定のコースや荷主、ドライバーによって拘束時間が長いといった特徴が無いか、もらっている運賃と労務費等の原価が適正なのかを見極めました。
その結果、拘束時間の長い運行の特徴として、停車時間が長いことが分かりました。このデータを基に、経営者が感じている課題との整合を行い、到達したい目標とそのために必要な改善すべき施策につき、検討を行いました。
その結果、拘束時間の長い運行の特徴として、停車時間が長いことが分かりました。このデータを基に、経営者が感じている課題との整合を行い、到達したい目標とそのために必要な改善すべき施策につき、検討を行いました。
解決 POINT 2
現場の意見を聞き、生産性を阻害する事象の真因を探る
現場のドライバーのリーダーに集まってもらい、社長から、労働時間の削減に対する思いを語ってもらい、改善活動への協力を依頼しました。コンサルタントから、データ分析の結果を発表し、どうしてこのような運行になっているのか、リーダーたちの見解を聞きました。
その結果、長い停車時間には色々な原因があることがわかりました。中には、顧客の指示ではないが、顧客の利便性を慮って、ドライバーの配慮により時間を調整しているものもありました。ただ、大半は集荷先の都合と配達先の都合の不一致により、運送業者にしわ寄せが来ているものでした。
そこで、社長は営業担当者に発荷主や着荷主への交渉を命じました。
その結果、長い停車時間には色々な原因があることがわかりました。中には、顧客の指示ではないが、顧客の利便性を慮って、ドライバーの配慮により時間を調整しているものもありました。ただ、大半は集荷先の都合と配達先の都合の不一致により、運送業者にしわ寄せが来ているものでした。
そこで、社長は営業担当者に発荷主や着荷主への交渉を命じました。
解決 POINT 3
経営者が改善策を後押しし、全社で実行する
次のプロジェクト会議では、営業担当者から交渉の結果についての発表がありましたが、いずれの荷主も現状変更を拒んだというものでした。そこで、社長から、現状維持を望むなら、運賃を上げてもらい、時間を変えて貰えるなら、料金は据え置きでいいと交渉するよう、指示しました。営業担当者からは、そのような交渉をすると、取引を断られてしまうと抵抗がありましたが、社長が、それでも構わないと強い意志を示したため、営業担当者は再度交渉に赴きました。その結果、すべての荷主で、時間変更に応じてくれました。これにより、労働時間の短縮を売り上げの低下なく実現でき、減少した残業代相当をボーナスにてドライバーに還元することができました。
効果・成果
社長は、ドライバー不足がこのまま続けば、日本経済のインフラである輸送が維持できなくなるという強い思いがあり、これまでもドライバーの待遇改善に努めてきていました。今回の、コンサルタント主導のプロジェクトにより、労働時間を長くしている真因が分かり、社長自ら先頭に立って解決に向かって行動しました。
その結果、ドライバー不足は今や社会問題であり、きちんと説明すれば荷主の理解を得られること、生産性を向上させても賃金の低下につながらず、仕事とプライベートの両立が可能となることを、営業担当者もドライバーも理解できました。
この会社では、その後、健康経営優良法人の認定も取得し、社員に優しい会社として、ドライバーの口コミにより採用ができるようになっています。
その結果、ドライバー不足は今や社会問題であり、きちんと説明すれば荷主の理解を得られること、生産性を向上させても賃金の低下につながらず、仕事とプライベートの両立が可能となることを、営業担当者もドライバーも理解できました。
この会社では、その後、健康経営優良法人の認定も取得し、社員に優しい会社として、ドライバーの口コミにより採用ができるようになっています。
ドライバーの働き方改革が、運送業者を強くする
この事例では、社長の強い意志が社員に伝わり、改善がうまく行きました。その社長を後押ししたのが、コンサルタントの分析結果です。これにより、経営陣と現場の認識差が埋まり、現状に対する正しい判断ができるようになりました。また、コンサルタントから、行政の動きや、他の運送会社の事例等の情報が得られたことも、社長の決断を後押ししました。
2024年問題を解決し、発展する運送事業者を目指すのであれば、経験豊富なコンサルタントの支援を得て、社内改革を目指してください。私ども中小企業診断士がお手伝いいたします。
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