起きていた問題
被買収先となる対象企業は、旧オーナーのカリスマ性と強力なリーダーシップのもと経営されていました。そのカリスマ経営者がいなくなった後、従業員の離反を防ぐ上でも、買収企業のグループ企業としての価値観を従業員全員に浸透させる必要がありました。また、経営成績をタイムリーに把握できる計数管理ができていない、買収企業と被買収企業の賃金制度、教育制度が異なること、人手不足の状況に陥っていることなど、人事面の問題も抱えていました。
コンサルタントの関わり方
PMIのプロジェクトリーダーとして、コミュニケーションの活性度も高める
買収企業の経営陣から、被買収企業の細部まで深く入り込んで欲しいというニーズがありました。しかし、被買収企業には、「買われた」という意識が強く、反発も予想されたため、役員や従業員のメンタル面にも十分配慮した対応が求められました。
そこでコンサルタントは、毎週1回終日訪問して、従業員ヒアリングなどを通して密にコミュニケーションを行うことから始めました。コミュニケーションを重ねることで、本音をポロリと言える関係性の構築や、言葉には表れてこない部分を読み取ることで、本質的な課題を抽出し、具体的な改善を図っていくことにしました。
そこでコンサルタントは、毎週1回終日訪問して、従業員ヒアリングなどを通して密にコミュニケーションを行うことから始めました。コミュニケーションを重ねることで、本音をポロリと言える関係性の構築や、言葉には表れてこない部分を読み取ることで、本質的な課題を抽出し、具体的な改善を図っていくことにしました。
解決方法
買収企業グループ会社の一員としての理念や仕組みの浸透を図る
被買収企業は旧経営者のカリスマ性に依存した会社でした。
経営理念はあるが形骸化している、計数管理はされているが独自性が高く共有しづらい、残業手当、評価、昇給、人材の募集など対処すべき問題があるが放置されているなど、これまでは旧カリスマ経営者の鶴の一声でコントロールできていましたが、これからは組織として行動する必要があります。
まずは、それまではお飾りになってしまっていた経営理念の整備と浸透、計数管理によるタイムリーな経営成績の把握、残業代の未払い、モチベーションの上がらない評価と処遇、人材の募集など対処など、問題は山積みでしたが、一つひとつ解決していきました。
経営理念はあるが形骸化している、計数管理はされているが独自性が高く共有しづらい、残業手当、評価、昇給、人材の募集など対処すべき問題があるが放置されているなど、これまでは旧カリスマ経営者の鶴の一声でコントロールできていましたが、これからは組織として行動する必要があります。
まずは、それまではお飾りになってしまっていた経営理念の整備と浸透、計数管理によるタイムリーな経営成績の把握、残業代の未払い、モチベーションの上がらない評価と処遇、人材の募集など対処など、問題は山積みでしたが、一つひとつ解決していきました。
解決 POINT 1
買収企業グループ会社としての経営理念の整備と浸透
被買収企業は旧オーナーのカリスマ性に依存した会社でしたが、今後は買収企業のグループ企業としての共通の価値観を、従業員全員に浸透させる必要がありました。
そこで、それまでは形骸化していた経営理念を、買収企業グループの企業理念と価値観を合わせて再構築しました。経営理念を改定する際には、「全従業員を巻き込む」ということを強く意識し、全従業員とディスカッションをしました。「当社の存在意義は?」「当社で働く意義は?」など自由に意見を出してもらって、それらを反映して、平易な言葉で覚えやすい経営理念を策定しました。
また、策定した経営理念を全従業員に浸透させるべく、社内の目立つ場所に経営理念を張り出す、会議の前に経営理念を唱和する、などの施策を実行しました。
そこで、それまでは形骸化していた経営理念を、買収企業グループの企業理念と価値観を合わせて再構築しました。経営理念を改定する際には、「全従業員を巻き込む」ということを強く意識し、全従業員とディスカッションをしました。「当社の存在意義は?」「当社で働く意義は?」など自由に意見を出してもらって、それらを反映して、平易な言葉で覚えやすい経営理念を策定しました。
また、策定した経営理念を全従業員に浸透させるべく、社内の目立つ場所に経営理念を張り出す、会議の前に経営理念を唱和する、などの施策を実行しました。
解決 POINT 2
月次の計数管理体制の構築と親会社への報告体制の整備
被買収企業は、独自の方法で一定の計数管理を行っていましたが、経営成績をタイムリーに把握できる状況ではありませんでした。そこでまず、「なぜタイムリーな計数管理ができなかったのか?」のヒアリングを行い、その阻害要因を突きとめることから始めました。従業員と会議を重ねることにより、その解決策を導き出して取り組むことで、すぐに翌月10日には前月の経営成績を把握できるようになりました。
また、同時に親会社からもヒアリングを行って、いつ、どのような情報が必要かを把握し、それを反映した月次資料を作成する仕組みを構築し、親会社へのタイムリーな報告体制もできあがりました。
また、同時に親会社からもヒアリングを行って、いつ、どのような情報が必要かを把握し、それを反映した月次資料を作成する仕組みを構築し、親会社へのタイムリーな報告体制もできあがりました。
解決 POINT 3
コントロールセンターとしての本社機能の強化
被買収企業の人事面において、残業手当、評価、昇給、人材の募集など対処すべき課題が数多く存在しました。課題を一つ一つ解決し、人事面の経営リスクの軽減を図りました。代表的な取り組みをご紹介します
① 残業手当の不払い:定額残業制度を導入することにより、サービス残業手当が支払われていない問題を解決しました。
② 評価、昇給:昇給がほとんどない賃金制度・評価制度だったため、従業員のモチベーションが上がらない状況でした。定期昇給や成果が報われる人事評価制度を整備しました。
③ 人材の採用:人材不足が顕在化しているのにも関わらず、採用ができていない状況でした。募集条件、募集媒体などの見直しを行い、従業員の採用を実現しました。
① 残業手当の不払い:定額残業制度を導入することにより、サービス残業手当が支払われていない問題を解決しました。
② 評価、昇給:昇給がほとんどない賃金制度・評価制度だったため、従業員のモチベーションが上がらない状況でした。定期昇給や成果が報われる人事評価制度を整備しました。
③ 人材の採用:人材不足が顕在化しているのにも関わらず、採用ができていない状況でした。募集条件、募集媒体などの見直しを行い、従業員の採用を実現しました。
効果・成果
親会社のマネジメントが行いやすい経営管理体制を強化
財務面に限らず、人事、営業、施工など幅広い分野を経営全般の視点からPMIコンサルティングを行った結果、被買収企業の従業員の自己肯定感やモチベーションが向上、親会社のマネジメントが行いやすい経営管理体制の強化を実現し、買収企業の役員から非常に高い評価を受けました。
その結果、3ヵ月間毎週訪問するという当初の契約を終えた後も、毎月1回訪問して、諸課題を定点観測するという形式で継続関与を求められて、引き続き支援を行うことになりました。
その結果、3ヵ月間毎週訪問するという当初の契約を終えた後も、毎月1回訪問して、諸課題を定点観測するという形式で継続関与を求められて、引き続き支援を行うことになりました。
M&Aの買収“後”の事業統合は中小企業診断士へ
M&Aにおいて、会計事務所や税理士、M&A仲介会社など様々なプレイヤーがいますが、会社や事業の値付けと売買に終始しているように思います。会社や事業を買収した後、その会社の経営をどうするか、残された従業員のマネジメントをどうするか、「買収後」に経営全般から戦略、組織体制づくりがうまくいかなければ、せっかくの買収も失敗に陥りかねません。
財務面であれば会計士、人事面であれば社労士など、多様な専門家は存在しますが、経営全般の視点からPMI(M&A後の統合支援)コンサルティングを行うことができるのは、中小企業診断士なのです!
ぜひ、M&Aの「買収後」に不安や課題を抱えている方は、お気軽にご相談ください。
財務面であれば会計士、人事面であれば社労士など、多様な専門家は存在しますが、経営全般の視点からPMI(M&A後の統合支援)コンサルティングを行うことができるのは、中小企業診断士なのです!
ぜひ、M&Aの「買収後」に不安や課題を抱えている方は、お気軽にご相談ください。