起きていた問題
対象企業は穀茶、麦茶等を製造する食品製造業N社。創業80年以上、資本金 1,000万円です。対象企業とは、当グループにて行ったセミナーへの参加がきっかけで、HACCP導入支援を行うこととなりました。
量販店や食品卸問屋と取引しており、製品は最終的にはスーパーマーケットで販売されています。昨今の食の安全志向の高まりから、取引先からの安全性に対する評価を高めたいことと、HACCPが制度化されることから、導入を考えていきたいとのことでした。
量販店や食品卸問屋と取引しており、製品は最終的にはスーパーマーケットで販売されています。昨今の食の安全志向の高まりから、取引先からの安全性に対する評価を高めたいことと、HACCPが制度化されることから、導入を考えていきたいとのことでした。
コンサルタントの関わり方
経営者からのヒアリングおよび工場の現場確認を行い、経営者のHACCP構築を具体的に支援。経営者へのHACCPの解説や記録類のフォーマットの提案も含めて支援を実施しました。
解決方法
小規模企業でも可能な、HACCPの考え方に基づく衛生管理の導入
当グループのメンバーが企業様を訪問し、企業様の衛生管理担当者とともにHACCPの考え方導入を実施しました。HACCPの基本である7原則、12手順になるべく沿う形で、要点を押さえて手順を進めました。製品仕様、製造工程等を文書化したことで、社内で製造に関して情報共有ができる形となりました。その上で、HACCPの考え方を取り入れ、衛生管理を見直しました。その結果、衛生管理レベルが向上しました。社内および対外的にも具体的な衛生管理内容を見える形で示すことが可能となり、特に取引先との関係構築に役立てることが可能となりました。また、経営者と一緒に今回導入した衛生管理の運用面のポイントを確認することで、継続的に運用できる環境が整いました。
解決 POINT 1
HACCPのエッセンスのみを導入
HACCPの全てを一から構築していくことは、小規模事業者にとっては大きな負担となります。国の制度化の方向性も小規模な事業者が導入しやすいよう考え方を取り入れる方針で進めています。そのため、最もハードルが高い危害分析と重要管理点の設定部分については、できるだけ簡易な形とすることで、まずはHACCPの考え方を取り入れてみることから始めました。管理すべき要点を押さえた最小限の内容とし、少人数で管理できる仕組みを構築しました。これにより、食品による危害発生や商品回収リスクの可能性を低減できました。
効果・成果
HACCPの制度化に早期に対応し、より市場ニーズを捉えた経営を実践
自社だけではなかなか踏み切れないHACCPへの対応について、専門家が入ることで着手のきっかけとなりました。HACCPを取り入れること自体、食の安全性の向上となりますが、加えて、HACCP制度化への対応を早めにしておくことで、取引先へのアピールポイントとなり、取引先との良好な関係構築に役立ちます。
HACCPの導入は企業規模が小さくなるほど進んでおらず、人手や資金の問題で難しいと思われがちです。しかし、当初から100点満点のHACCP構築を目指すのではなく、要点を押さえてHACCPの考え方をうまく取り入れることで、小規模企業でも衛生管理の向上を図ることができました。取引先に対して食の安全に取り組んでいる企業と認識してもらえるよい機会となりました。また、今回、衛生管理の状況が見える化できたことで、今後改善を行いやすい体制を整えることもできました。
食品安全に関するお悩みご相談がありましたら、大阪中小企業診断士会の食品安全グループにお気軽にご相談ください。
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