経営コラム

消費者向け商品・サービスのプロモーション

はじめに

どのような商品(サービス)であっても、買い手に知っていただけなければ、売れることはありません。そのため、事業の規模を問わず、事業活動においてプロモーションは重要なウエイトを占めています。
しかし、最初に「どんなプロモーション方法が効果的だろうか」と考えるのは失敗の元です。なぜなら、プロモーションの目的、ターゲット、訴求すべきことが明確でなければ、適切な方法を選択し、効果的に訴求することができないからです。
いずれにしてもトライ&エラーが必要ですが、単なる当てずっぽうでは望ましい結果を得づらく、仮に上手くいったとしても再現性が低くなります。
本コラムでは、効果的なプロモーションを行うための考え方のヒントをお伝えいたします。
最後までお付き合いいただけますと幸いです。

プロモーションの目的は何ですか?

商品・サービスによって、価格、使用する場面、仕様頻度などが異なるため、買い手の購買までの行動も商品・サービスによって異なります。それに伴って、プロモーションの最終目的も異なります。

SNSで表示された広告を見て、欲しくなって買ってしまった経験はないでしょうか?おそらくその商品はそんなに高額なものではなく、比較的使用頻度も高いものではないでしょうか?
安価な商品であれば、買い手はプロモーションだけで購入しようと思うかもしれません。そういった場合は、購買を促すために販売サイトに誘導することがプロモーションの最終目的になるでしょう。

しかし、高額の商品の場合、プロモーションだけでは購入を決定しないことが一般的です。家を購入する場合でしたら実際にモデルハウスを見に行ったり、車を購入する場合でしたら試乗をしたりと、購入を決定するまでに検討を重ねるはずです。そのため、まずは問い合わせや来店誘致といったことがプロモーションの最終目的となるケースが多いでしょう。

まずは、プロモーションの最終的な目的を明確にしてください。

ターゲットはどんな人?

プロモーションの目的が決まったら、目的を達成するためには誰に訴求をするべきかを検討します。
多くの人を狙う程、誰にも刺さらない、効果の出ないプロモーションになってしまいます。プロモーションの確度を高めるためには、ターゲットを細かく分類して、属性ごとにプロモーションを検討することが必要です。

例えば、ダイエット用のサプリメントを訴求したいとします。買い手によって年代、性別、元々の体格と目指している体格、ダイエットの目的などが異なりますので、必然的に訴求すべきメッセージが異なります。
健康上の理由から体脂肪を減らしたいと思っている方に対してであれば、「ダイエットしておしゃれを楽しみましょう」ではなく「無理なく体脂肪を減らして生活習慣病のリスクを減らしましょう」といったメッセージになるはずです。

具体的に刺さるプロモーションを行うためには、ターゲットを具体的にイメージできるようにしてみましょう。

ターゲットとの接点を考えましょう

ターゲットが具体的になったら、ターゲットとの接点を検討します。そのためにはまず、ターゲットはどのような日常生活を送っているのかを考えましょう。ターゲットの属性によって生活パターンが異なり、生活パターンの違いによって行動にも違いが出るはずです。相手の行動パターンに合わせたプロモーションが求められます。

ターゲットは、起床してから寝るまでに、どのような行動を取るでしょうか?その中で、どのようなメディア(TV、新聞、雑誌、Webサイト、SNSなど)に触れるでしょうか?
また、コロナ禍において週の内の何日かはリモートワークをするようになったといったように、生活スタイルが従前のものから変わっている可能性がある点に留意してください。

例えば、平日は電車で会社に出勤している人であれば、毎日通勤時というほぼ決まった時間帯にスマートフォンでSNSを見ているということが考えられます。しかし、土日の同じ時間帯にはスマートフォンを見ているでしょうか?効率的に訴求をするために、平日の朝の時間帯と夜の時間帯にSNSに広告を出稿するといったことが考えられます。

いずれにしても、「誰に」「いつ」「どういった場面で」ということを明確にすることで、手段が明確かつ的確になります。

事例

犬のしつけを顧客の家まで行って行う、ドッグトレーナーのプロモーションの事例をご紹介します。

ターゲットは家で犬を飼っているご家庭で、特に奥様を想定しました。実際に探して頼むのは家族の中で奥様であると想定されるからです。

次に、ドッグトレーナーに依頼をしたいという動機付けが起こるとしたらどういったタイミングが考えられるかを検討しました。検討の結果、犬のしつけについての情報に触れた際が最も動機付けされるのではないかと推測しました。

そこで、NHKやアニマルプラネット(動物専門の衛星放送向けチャンネル)の番組表から犬のしつけに関する番組をピックアップし、放送する内容に関連した内容のブログを書いて、放送よりも前に投稿していただくことにしました。

その結果、Webサイトへのアクセス数が3倍近くに伸び、問い合わせ数、成約数ともに増加しました。

TV番組を見た方がネットで検索し、関連する内容のブログを見て、問い合わせに繋がったものだと考えられます。

注意点

<注意点①:結果を急がない>
プロモーション手法によって、結果が出るまで時間がかかるものがあります。また、商品・サービスの種類によって、プロモーションから時間が経ってから行動を起こすケースもあります。
そのため、プロモーションの結果を急がないようにしてください。

<注意点②:同時期に複数のことを試さない>
プロモーションの成果をはっきりさせるために、同時期に新たに複数のプロモーションを試すのはお勧めできません。
ただし、どのプロモーションによる成果であるということが明確に分かるのであれば、この限りではありません。

<注意点③:結果の総括を行ってください>
プロモーションの結果が上手くいったとしても、上手くいかなかったとしても、理由をしっかり検討してください。
経験則上、こうすると上手くいくという認識で終わってしまうと、状況が変わって既存のやり方が通用しなくなった時に対応ができません。

終わりに

広告の出稿やWebサイトの制作など、自社だけで実行が難しいために広告代理店やデザイン会社といった、他社の力を借りることも多々あると思います。しかし、そういった場合でも業者任せにしないでください。

冒頭で述べたように、プロモーションは事業を行う上で必ず行うものです。プロモーション力の向上は、売上の向上につながります。そのため、可能な限りプロモーションのノウハウを自社の財産としていただきたいと思います。

(※本コラム内の写真はAdobe提供のストック画像より引用)

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