50代の顧客を攻略せよ!
消費者としての新規顧客開拓を考えるときに、年代別に分析する機会も多いと思うが、50歳代という年代について考えてみたいと思う。
なお男の子目線で書かれているが、経済力のある車好きの女性も増えているのでマーケティングとして男女を区別するつもりはないことを付け加えたい。
2024年時点で59歳の方は1965年生まれ、50歳の方は1974年生まれである。昭和でいえば40年から49年生まれまでとなる。この時代の子供は多く、塾通いは小学校の高学年になってからが一般的だった。つまりドラえもんの世界観のように子供は外で友達と遊ぶのが一般的だった。コミュニケーション力もそれなりに鍛えられたのだ。
そしてスーパーカーブームの嵐が吹き荒れた。カード、消しゴム、プラモデル、撮影会等スーパーカー関連のすそ野は広く、ランボルギーニLP400やフェラーリ512BBは当時の子供たちの憧れだった。下の写真を見て「930だ!」といえる人は今でも少年の心を持っているに違いない。現在の富裕層のクラシックスーパーカーニーズにも直結しているだろう。現状で経済力を持つ50代は高額な車両の見込み客である。
その次はアニメブームが来た。宇宙戦艦ヤマト、銀河鉄道999、機動戦士ガンダム・・・学生時代に見ていたうる星やつらは2023年に小学館の記念事業の一環としてリメイク放映され好評を得ている。数年ごとにやってくるアニメブームの影響を受けた50代はアニメとの親和性が高く、ガンプラなどのすそ野の広いアニメ産業の有力な消費者となりうる。
50代は空前のバイクブームを体験している。18歳以降に自動二輪の免許を取るころ、世の中は原付スクーターから中型自動二輪まで現在の数倍の市場規模を持っていた。特に1990年を挟んだ前後の数年は過剰なまでのメーカーの開発競争もあり、若者はツーリングにレースにと青春を謳歌した。北海道はツーリングバイクが溢れ、鈴鹿サーキットは夏の8時間耐久レース観戦で盛り上がり、レーサーを所有して地方の小規模なレースに参戦するライダーも多かった。そういった活動を支えることができるくらいにバブル景気は強かったのである。現在は第2次バイクブームと言われており若いライダーも増えてきたが、観光地で高価な大型バイクのライダーを見れば、50代が多数を占めていることが分かる。バイク関連産業の顧客として50代は外せないだろう。
50代は夢のある自動車産業の時代を知っている。社会人になって若手のころ、世の中はセダンやスポーツカーが主役であり、ミニバンは数も少なく脇役であった。燃費や環境について世間の目はまだまだ甘く、俊敏なスタイルやハイパワーを求めることは正義であった。スカイラインGT-RやRX-7などのスポーツカーは新車で販売されており、モーターショーは大変な盛り上がりであった。現時点で市場の限られるスポーツカーや高価なラグジュアリーセダンの顧客として50代は有望であろう。
多感な頃にバブル景気の豊かさを経験し、会社組織であれば幹部としてそれなりの経済力を持ち、社会的にも影響力を増している50代。まだ消費生活を楽しめる体力も気力も持ち合わせ、子育てからも解放されて自由になる時間を手に入れた50代。その人生のバックグランドを理解したうえで商品開発を行えば、上手く50代のニーズを掴むことができるだろう。「50代の顧客を攻略せよ!」
※画像は著者撮影
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