身近にあるIoT
中小企業のIT関係の取り組み事例として、製造業のIoTを紹介します。今、さまざまな産業分野でIoTが活用されています。
IoTとはInternet Of Things の略称です。IoTとは、モノやコトの状態をセンサーによりデータ化して、インターネットを通してクラウドサービスに蓄積し分析や活用することです。
IoTと言う言葉は聞いたことあるが、実際にどのようなものかわからないと言う方もおられるかもしれません。IoTは身近なところに使われています。特にセンサーで状態を確認し制御することは身近で行われています。
家で使うIoT
例えば、エアコンが快適な温度を保つのは、エアコンにセンサーが組み込まれ、温度を測定して、指定された温度になるようにエアコンが調整しています。センサーと制御装置の組み合わせというのはIoTの基本です。
このエアコンがインターネットに接続されているとき、家の外からエアコンのOnOffや温度の設定ができます。例えば夏の暑い日に、自宅に帰る前にエアコンをつけて部屋を涼しくしておくことや、飼っているペットが部屋の中で熱中症にならないようにエアコンをOnにするなどがスマートフォンで操作ができます。
IoTの技術を使えば、エアコンだけでなくLEDの照明やテレビなどの家電は、スマートフォンを使って外出先から操作ができます。またスマートロックという扉の鍵が発売されています。仮に鍵を持っていなくても、スマートフォンを使いドアの施錠や開錠を行うことで、家族や親しい友人のために外出先から解錠や施錠を行うことができます。
スマートスピーカー
出典: IoTの仕組みと技術がこれ一冊でしっかりわかる教科書
部屋の中にあるIoTといえば、アマゾンエコーやGoogle ホームといったスマートスピーカーがあります。これは、音声で今日の天気やニュース、料理のレシピ、音楽などを再生することができるので、手を使った操作をなくすという生活ができます。さらに、上述した家電のコントロールも音声で行うことで、「いってきます」と言うと、照明やエアコンをOFFにし、扉を開けるとこれらをONにするなど、人の行動に合わせた家電のコントロールができるのです。
これらは、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)と呼ばれる電気の使用量を測定し節電につなげるシステムと合わせてスマートホームと呼ばれ、安心・安全で快適なライフスタイルが実現されようとしています。
スマートメータとは
出典: https://www.kansai-td.co.jp/technology/smart-meter.html
例えば、エアコンの電気使用量を測定し消費電力を最適化したり、部屋に差し込む太陽光の明るさにより照明の明るさを調整したりします。また、外出する際に、すべての部屋の照明やエアコンをまとめてOFFすることもできます。
このような家電製品の統合コントロールは、共働き世帯にとって朝の忙しい時間の節約になります。また前述のスマートロックを使えば、スマートフォンでの施錠を始め、施錠の状態を外出先から確認・操作することができ、鍵のかけ忘れに対する不安を解消します。
このようにセンサーで何かを感知しインターネットで経由で確認することやその場所にいなくても操作ができると言うことが身近になってきています。
個人で使うIoT
私は少し高血圧気味ですので、毎日血圧計を使っています。また健康維持のために体重を測っています。体重や血圧を測るのは良いのですが、紙に書いたりパソコンで入力したりして管理するのが大変です。そのような方のために体重計や血圧計などで測定するとBluetoothと言う無線通信よってスマートフォンに蓄積することができます。
スマートフォンにはデータが蓄積されます。これらを後で見返すことによって体重の増減や血圧が安定しているかなどを自分で確認することができます。
スマートフォンに蓄積されれば、自分が確認するだけでなく医者機関での診察時や健康診断の時に血圧や体重増減を診てもらうことができます。
これは、社会的に見ると医療費の増加や医師不足を背景にした健康管理推進につながります。今後は病気を治すということから病気を防ぐということに変わっていくでしょう。健康状態を見える化することで、生活習慣病の予防や改善に役立てることができます。
生活習慣病の予防や改善の例
出典:経済産業省におけるヘルスケア産業政策について(経済産業省)
生活習慣の予防ということであればウェアラブル端末も有効です。腕時計やメガネ、ペンダント型などの身に付けるウェアラブルデバイスは、価格が低下していて気軽につけることができます。スマートフォンと連動し、電話の着信通知やSNSやメールの通知機能を備えており、情報を手軽に確認することもできます。また、心拍数や活動距離などの測定や記録ができるため、健康促進のために広く浸透してきました。
マラソンランナーを始め、ビジネスで日々忙しい方たちもウェアラブル端末をつける方が多くなってきました。
スポーツをする方にとっては着衣型のウェアラブルデバイスも使われはじめました。シャツや靴などの着衣側ウェアラブルデバイスはこれらの用途を拡大し、スポーツ分野でも活用されています。フィルム状の導電素材を使った衣料は、心拍数の他、加速度などを測定して、筋肉疲労度やストレス、緊張度などを把握することで、スポーツ選手の状態を管理できます。
これらのウェアラブルデバイスは、東京オリンピックを契機に、ますますの進展が期待されています。
ITやIoT、AIなどのテクノロジーは、気がつくといつの間にか家庭や身の回りにあるという状態になっていることが多いでしょう。それは誰かがどこかで努力をして製品を作り、販売をしているからです。中小企業は大企業のように人的リソースが多くありません。しかし私たち中小企業診断士が中小企業のブレーンとなって、世の中の流れや技術を整理して中小企業ならではの取り組みに変換する支援ができます。
もし身の回りのIoTで気になることが見つかり、自社の製品に使えるのではないかと言うことが出てきたら、是非中小企業診断土に相談してください。
参考文献:IoTの仕組みと技術がこれ一冊でしっかりわかる教科書 技術評論社
著者:IoT検定ユーザー教育推進ワーキンググループ(山口透 は第2章を執筆)
担当メンバー名:山口 透
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